子宮筋腫があっても、つらい症状がない場合や、妊娠・出産を希望していて、筋腫が不妊の原因になっていない場合、あるいは閉経が近い場合などは、しばらく経過を見ることになります。経過観察中は何もしないというのではなく、定期的な受診で筋腫の状態を見ていきます。受診回数は、三センチ以下の筋腫で、症状がなければ一年に一回程度、三センチ以上であったり、あるいはそうでなくても症状があったりするようなら三.四か月に一回くらいのペースが目安です。観察の過程で、筋腫が大きくなる、数が増える、変性(組織が徐々に変化していくこと)する、出血や痛みなどの症状が出現したり悪化することもあるので、状態に応じて、経過観察するだけでなく、治療を検討していくことになります。
子宮筋腫を薬で治すことはできませんが、小さくしたり、症状を軽減させることは可能です。薬物療法は、つらい症状がある場合、または閉経後は筋腫が小さくなるので閉経間近の人の時間稼ぎとして、あるいは手術のために筋腫を小さくする、などの場合に用いられます。