子宮筋腫を小さくするには、女性ホルモンの分泌を抑えるスプレキュア、ナサニールといった点鼻薬や、リュープリン（ＧｎＲＨアゴニスト）などの注射薬を用いた偽閉経療法（ホルモンの分泌を抑えて月経を止め、閉経後と同じような状態を作ること）が行われます。筋腫が小さくなれば症状も軽減されますが、更年期と同じように、骨量低下やのぼせ、発汗などの副作用が出るため、薬物治療は六か月くらいしか継続できません。六か月経ったら、偽閉経療法は中止し、経過観察に戻るか、他の薬物療法、あるいは手術療法に切り替えるかします。


貧血や月経痛、排尿障害などの筋腫の症状を軽減させるには、対症療法として増血剤や鎮痛剤などの薬が使われます。偽閉経療法は妊娠している女性や、妊娠している可能性のある女性には用いられません。その理由は、妊娠には女性ホルモンが必須のため、これをおさえる偽閉経療法は直ちに流産や死産に結びついてしまうからです。また、妊娠中は月経もきませんので、それに伴２症状もないわけです。したがって、妊娠している女性には、経過観察が中心となります。